俺たちSpartanic Rockersの
波乱万丈な Story vol.028
会場バカわきの秘策!!
イギリスのB-Boyバトルのイベント”UK B-Boy Championships”。
無敵のStyle Elementsを相手に互角にバトルを進めてきた我々ではあったが、ここで遂に超人アイヴァンが勝敗を分けるムーヴ、エアートラックスで勝負をかけに来た!!
アイヴァンのエアーコンビネーションを見た瞬間に俺は思った。
アイヴァンに対抗する秘策はない!!
そしてまともに戦って勝てる相手ではない。
だが、まてよ!
あれがある!
先程、GOと俺で、TOMY BOYに対して行ったルーティーンはタイムアウトのせいで序盤戦で終わっていた。
要するにルーティーンの後半がまだ残っている。
あのルーティーンしかない!
奴の驚異的なムーヴに対抗するいのは、途中で終わってしまっているあのルーティーンだ!
前述したように、このルーティーンは本来、TOMY BOY 対策であったので、POPをベースにしたものであはるが、B-Boy Battleの中で使うものなので、ちゃんとB-Boy的な要素も少し混ぜて作ってあった。
そして何よりも大きかったのは、ルーティーンの最後は、メンバー全員のPOPのムーヴでしめくくられていた。
内容はシンプルでふざけたものではあったが、この全員のルーティーンは想像以上の効果を発揮した。
全員がつながってバイブレーションを始めた時、観客の歓声がだんだん大きくなり、POPが始まった瞬間に頂点に達する。
興奮したオーディエンスの声は巨大なBRIXTON ACADEMY を震わせる、地鳴りのようであった。
アイヴァンに対する対抗策無しだった我々だが、
前半タイムアウトの偶然がもたらしたルーティーンの途中終了が、
まさかの秘策となってここで活きてきたのである!
ルーティーン終わりに相手を挑発するように床に倒れこむ俺。
豪はそれに続けとばかりにドカン、ドカンと2度も床に落ちてみせる。
憎たらしい(笑)
俺がバトル相手だったら超頭にくる!!
だがこれも作戦のうちだ。
バカわきの俺達のルーティーンを返すはスタイル・エレメンツのBOOGIE-T。
ウインドミル、タートルからフットワーク。
足を銃に見立てて攻撃してくるが、正直俺達のバカ湧きルーティーンの後ではインパクトが弱い。
BOOGIE-Tをおちょくりながら登場するはJO!
トップロックからヘッドスピンを始めるが、
奴がここで放ったのはヘッドスピンをしながら頭で跳ねる
ジャンピングヘッドスピン!!
これは、この当時では大分レアなムーヴだったと思う。
かなりショートなムーヴではあるが、インパクトは相当強く、
会場は再びバカ湧き!
続いてCRUMBS が登場。
1990とアクロバットを組み合わせた流れで対抗してきた。高度な技術ながらこれはフロー(流れ)が途切れるシーンがあった。
対抗するは俺、TAKEO。
この時思っていたのは、他のメンバーは、敵味方両方ともショートムーヴをつないでくるパタ―ンが多かったので、敢えて、単品の技のスピードで見せたほうがいいかなという考え。
結果繰り出した技はBABYWINDMLL(ベイビー・ウインドミル) のみ。
その代わりスピードは速く!
フリーズもぶっ飛ぶ!
これに対抗するはQUALI-Dのフットワークスタイル。
これも正直あまりいいフローではなかった。
バトルの流れは今だSPARTANIC サイドである。
ここで佐久間さん登場!!
毎回なかなか狙ったようにいいところで登場する。
今回はLOCKIN’ STYLE 。
プラネットロックのメロディーから、強いビートに流れてきたところを上手く捉え、パワー全開のロックで見せる!
スタイル・エレメンツにはロックのスキルの人間はいないので、これには無反応。
その代わりに天才REMIND 登場!
これは、ダンスにはダンスで返すという事だと思う。
リマインドは途中に入ってくるDJアフリカ・イスラムのスクラッチにうまく呼応。
これは想像以上に凄いスキルだと思う。
下向きに体を左右に振ってからフリーズするところ、スクラッチ音とバッチリ合っている。
バトルに臨む、DJとB-BOY がお互いのスキルを融合している瞬間である。
フリーズへの持って行き方など、当時では本当に新しい、見事な流れ。
しかしながらインパクトはそこまで強くないと言っていい。
そこに登場はスパルタニックロッカーズ一番のパーティ野郎、JO!!
自分の方向、左軸で1990を回ってから一旦止めて、逆の右軸の1990にスイッチ!
残念ながらちょっと失敗気味ではあるが、それでもこの流れは、この当時ではかなり高いスキルである。
そして奴が最後に選んだのは、なんと、ウインドミルからヒップスピン(お尻まわり)。
しかも最高におちょくった手のポーズに注目。
どこまでもおふざけモード。
このムーヴも最高にJOらしいと言っていいと思う。
ラストターンと聞いて登場したのは超人IVAN。
当然の人選であると言える。
最後に強烈なインパクトで締めようと言う訳だ。
アイヴァンは余裕な態度で登場し、いきなり斜めにドリルを回るとそこからヘッドスピン→ウインドミル→ヘイローのコンビネーション。
高いスキルで安定したヘイローの連続ではあったが、最後はフリーズ感がなく終了。
このムーヴで我々の約20分に及ぶバトルは終了となった。
DJ のアフリカ・イスラムが何度も叫ぶ!
「なんてスゲーバトルだ!(THAT WAS A MOTHER FU**IN BATTLE)」
俺たちはスタイル・エレメンツとバトルを称え合うハグ。
この時点で、俺は勝ったという確信はなかった。
俺の心にあったのは、やりきった満足感であった。
とにかく、当時無敵だった上に、超人アイヴァンまで加わっている状態のスタイル・エレメンツに対して互角に戦い抜いた。それだけで十分満足であった。
勝つか負けるまで考える気持ちはこの瞬間は無かったと記憶している。
果たして、勝者はどちらのチームになるのだろうか・・・
End of The Spartanic Rockers Story Vol.028
To be continued
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