俺たちSpartanic Rockersの
波乱万丈な Story vol.024
UK B-Boy Championships / それは予想を超える夢の舞台!!
さて、いよいよ迎えたイベント当日。
俺たちは基本的にはアイヴァンショックから立ち直っていないものの、若さのなせる業か、JOやツヨシはやる気満々。
状況をあまり把握していない佐久間さんとGOはもちろんやる気満々(笑)。
俺も何故かわからんが、やっぱりやる気満々。
もう海外でのバトル、訳わかんないし、とりあえずやったるか!
という想いしかなかった
向かった会場はBRIXTON(ブリクストン)という場所にあるBRIXTON ACADEMYというライブスペース。
結構大きそうな建物だなぁなどと思いながら楽屋口から楽屋入り。
どうやって時間を過ごしたのかはよく覚えていないが、俺が舞台をチェックしに行ったのは客入れが終わって、間もなくイベントが始まる頃だったと思う。
舞台袖からステージへ出てみると、
俺は、そのあまりの光景に息をのんだ!!
俺の目に飛び込んできたのは上から降ってくるような約5000人の観衆と、ステージ前にズラーっと一列に並ぶ報道関係者、カメラマンの数の多さ!
いったいなんなんだ!この舞台は!!!
こんなシーンがB-Boyの世界にあったのか!!!
一言で言うと「驚き」しかないUK B-BOY CHAMPIONSHIPS のステージ。
俺達の全く想像だにしなかった世界がそこにはあった。
当時の日本ではブレイクだけのイベントは数えるほどしかなく
しかも会場にいるのはほぼ出演者のみで、観客は出番を待っている出演者というのが基本であった。
これはこの文章を書いている2019年においてもあまり構造は変わっていない。
しかし、UK B-Boy のステージは全く違った。
ダンスをやっていない沢山の人が、ブレイクのバトルを見にこの会場に集まっているのだ。
しかも、恐らくはイギリスの人だけではなく、ヨーロッパ各国から集まっている事だろう。
日本ではダンスをやっている人しか集まらないイベント。
特にB-Boyのバトルでは、基本、出る人しかいないイベント。
ところがここ、ロンドンではダンスをやらない、一般の人からも支持されるB-Boyの世界が存在した!
そしていよいよイベントがスタート!
まずは各チームがショーを披露していき、上位4チームを決めるというヨーロッパ方式のコンテストである。
ここで改めて感じた事は観客のレスポンスの凄さ。
5000超の観客は素直に反応し、いいムーヴ、凄いムーヴが決まるたびに湧く、湧く、湧きまくる!!!
当然パフォーマンスをしている演者のテンションもMAX上がっていきます!!
間もなく我々Spartanic Rockers のショーの時間がやって来る。
俺たちのショーパフォーマンスはBreakin’だけでなく、HIP-HOPやPoppin’、Lockin’なども混ぜた複合的な内容。スイスのアーバンスキルの時に説明したように、当時のヨーロッパの、特にBreakin’の世界においては異質中の異質であり、他のどのチームのものとも違い、B-Boyだけでなく、ダンスによりフォーカスを置いた内容であった。
客の反応ももちろん上々であった。
当時の状況で言えば正直言って、他のどのチームのショーと比べ物にならない、いい内容だったと思う。
恐らくだが、この前も、この後も、我々Spartanic Rockers のようなショーをするB-Boyのチームは存在しないと思う。我々はあくまでB-Boyのチームではあるが、そこに立ち踊りの要素を多分に入れている。そして、ギャグの要素も必ずと言っていいほど入れている(笑)。
そういう意味で非常に多くの影響を世界のB-Boy達に与えたのは間違えない。
しかし、そんなショーを行った我々でさえも、アメリカの超有名チーム、スタイルエレメンツのショーには驚愕した。それは、ショーの内容と言うよりも、彼らの個人的な能力の高さである。
リマインド、ダニーの上手さはもちろんだが、やはり俺達を驚かせたのはアイヴァンであった。アイヴァンは驚くべき身体能力をフルに活用し、様々なムーヴを見せる。
特に驚いたのは数メートルもあろうかと思われるスピーカーの上に登り、そこから宙返りして降りてくると言う彼の人間離れしたパフォーマンス。
普通の人間なら当然飛び降りることも出来ない程の高さからやすやすとフリップしながらステージに舞いおりる現代の超人に我々は言葉を失った。
こいつは、正に超人だ。
とてもまともに戦って勝てる相手ではない・・・
Spartanicのメンバーは、誰しもそう思ったに違いない。
しかし、俺達は、良くも悪くも、言わばお祭り気分だった。
想像を超える規模の大会。
世界各国のB-Boyに加え、超有名クルー、スタイルエレメンツとバトル出来るかもしれないのだ。
こんなチャンスめったにない!
しかも観客は5000超え!!
そして会場はめちゃめちゃ盛り上がってる!!
とにかくバトルに残れれば、後はやるだけだ。
しかも、またまた図々しいことに俺は絶対に決勝バトルに残れる自信があった。
そして、全てのクルーのショーが終了し、いよいよ発表の時を迎える。
結果は、スパルタニック・ロッカーズ 優勝決定戦進出!!!!
そして、相手はもちろん、スタイルエレメンツ!!!!
全く予想した展開になってきた。
正にこれはこの大会に出る前から想定していた展開だ。
もちろんアイヴァンという大番狂わせはあったにせよ、後はやるだけだ。
俺達のテンションは一気に上がっていく!!!
End of The Spartanic Rockers Story Vol.024
To be continued
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