行くぜ!頂上決戦!! Spartanic Rockers Story Vol.025

俺たちSpartanic Rockersの
波乱万丈な Story vol.025

行くぜ!頂上決戦!!

初の挑戦となったイギリスのバトルイベント
UK B-Boy Championsihps。
我々Spartanic Rockers はもくろみ通り決勝大会に駒を進めることが出来た。

ちなみに、当時我々日本人で構成される「スパルタニックロッカーズ」は全くの無名チーム。
というか、そもそも日本人がB-Boyしてるって事自体がヨーロッパではあんまり知られていなかった。
なので、関係者や地元ブレイクファンの間では、決勝カードは

アメリカの スタイル・エレメンツ 対
イギリスの セカンド・トゥ・ノン
関連記事:SECOND TO NONE

になるだろという予想だったらしい。
ほとんどの人達がこれを信じて疑わなかった。

SECOND TO NONE のメンバーと、SPARTANIC ROCKERS ZED そしてTAKEO

そういう意味では驚きの番狂わせであった。

これは後から聞く話で、その当時はそんな事はつゆ知らず、俺の中では図図しくも予想通りの決勝進出であった(笑)。

今回は、同年、98年の4月に参加したURBAN SKILL(スイス)のバトルイベントの時と違い、バトルに向けてもちゃんと準備をして来た。
しかも相手も想定通りスタイルエレメンツ。
大番狂わせのB-Boy Ivan はいるものの、あとはやるしかない!
5000人超えの観客を前に、俺達は、もうやる気満々であった。

ステージで向かい合う、
俺達 無名の日本人チーム Spartanic Rockres

世界最強とも目されるアメリカの Style Elements

いよいよ決勝が始まった!
DJはHipHopのレジェンドであるAfrika Islam(アフリカイスラム)。


B-Boyにとって象徴的な楽曲”Just Begun” のアレンジ曲からバトルはスタートした。
先陣を切って出てきたのはB-Boy Crumbs(クランブス)。
早いブレークビーツに合わせて軽快なフットワーク。
手を使わない、トリッキーなスタイルで着ている上着を脱ぎながらパフォーマンス。
サスガの展開。

これにJOが間髪いれずに応戦。
バトルはのっけから熱いテンションで始まる。
JO、ファーストムーヴはあいさつ程度のショートムーヴ。

次にでてくるブギーTのフットワークに合わせて飛び出すは、GO(植木豪)
驚くことにこの男、のっけから観客のハートを掴む!(動画では歓声にご注目!)

応戦するは天才REMIND(リマインド)。独特なフローながら、音もしっかりとらえたフットワーク。見事!

待ってましたとばかりに飛び出すはツヨシ。
相手をおちょくるようなスタイル反撃!

エレメンツからはQUALI-D(クオリディー)トップロックからフリーズへのショートムーヴ。

いよいよ俺もフロアーへ!
スワイプからウインドミル、バックスピンという王道的な流れで勝負。
もちろん全速力!!
スピードのあるスピンに観客のテンションもばっちり捕まえた!!

しかしその後に登場するは超人アイヴァン。
俺のウインドミル→バックスピンの流れに対し、アイヴァンはバックスピン→ウインドミルの流れで対抗。
正にムーヴフォームーヴ!!

バトルとは本来こういう形で行われるものだ。
しかもアイヴァンのスピンは俺のスピンを凌駕する完成度の高さとスピードである!!
サスガの超人の高速ムーヴに観客も沸きまくる!

佐久間さんまずはB-Boyスタイルで登場!
アイヴァンの後はやりにくいところを出ていただけるのはありがたい話し。

ちなみにダンスバトルに関して知識がない方もいると思うので、ここで改めてご説明しますが、ダンスバトルには基本筋書きはありません。
DJがどんな曲をかけるかも知りません。
その場でかけられた曲に合わせて、また相手の出方に合わせて、次に自分たちが何をするのか、誰が出るのかを瞬時に判断してやっていくのです。
ルーティーン(複数人での振付や組み技)に関しては、もちろん練習して準備していくんですが、これもどこで出すか、どこから踊るかなどはその場の判断になります。
今回チームとしては初バトルの俺達5人。
誰が出るかの打ち合わせは基本ありませんが、驚くほどの息の合いよう!
見事なまでの連携で、適材適所で出ていきます。

話を戻します。
佐久間さんのターンを経てスーパーデイヴが登場。
エレメンツきっての正統派パワームーヴァーです。
高いトーマスフレアから、腕を伸ばしきったウインドミル(スーパーマンウインドミル)へのつなぎ。
見た目よりかなり難しいです。

これに対抗したツヨシのつなぎは
同じく、トーマスフレアからスーパーマンウインドミルを経て1990→ベイビーウインドミルのコンビネーション。

これにはCRUMBSが応戦。
おもむろにとりだしたタバコに火を付け、それをくわえながらワンハンドラビット。
そこから1990へのコンビネーション。
心憎い演出で自分のスキルの高さをアピールする。
誰が最初に始めたかは定かではないが、この当時、ワンハンドラビットをするB-Boyは世界的に見てもほんの一握りだった。

これに対抗するはGO。
ラビットで登場するが、これは両手をついたもの。
難易度的にはダニーのそれとには比べられない容易さだが、一番の違いはGOのラビットは音楽に合っていたとうい事だ!!

そしてラビット終わりからGOとJOのルーティーンが始まる。
例の、無理やり練習させたルーティーンである(笑)

参照:Spartanic Story vol.21

しかし、改良を重ね、そして彼らも努力することにより、このルーティーンも当初に比べれば格段に見せられる内容になっていた。勝利の為の作戦その2、バトルルーティーンである。
(現在の我々のやっているものとは比べ物にならないが)

会場は予想以上のバカ湧き!!
もちろん、審査は観客によるものではないが、会場の雰囲気、流れをつかむと言う事は、バトルにとって大変重要なことである。
B-Boyとは盛り上がれば盛り上がる程いいパフォーマンス、ムーヴを出す生き物だ。
場合によっては本来の実力以上のパフォーマンスを発揮することもある。

特に我がSpartanicにはそういうメンバーが揃っていた(笑)

End of The Spartanic Rockers Story Vol.025

To be continued


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はじまり Spartanic Rockers Story Vol.001

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UK B-Boy 予想を超える夢の舞台!! Spartanic Rockers Story Vol.024

Spartanic Rockers Story 一つ後のぺージ

用意された罠(ワナ) Spartanic Rockers Story Vol.026