WORLD OF DANCE SAITAMA

2019年4月21日
さいたま芸術劇場で行われた、
ダンスショーケースのコンペティション、
WORLD OF DANCE SAITAMA 
にて審査員をさせていただきました。

ご参加、ご観覧の皆様、
スタッフ、関係者の皆様
お疲れ様でした。

雑感となりますが、感想を書いておきます。
全体感想の他、コンペティションの感想は1チームごとに簡単に下に書いておきます。
あくまで個人的な意見であり、審査員によって考え方は違うと思います。
ご承知おきください。

さて、このコンペティションは毎年L.A. で開催されいる大会の日本ローカル予選です。
一定の基準をクリアするとL.A. の決勝大会に出ることが可能となります。
その為出演チームの熱気は凄いです!

そしてこのコンペは、比較的大人数で臨んでいるチームが多いです。
人数が多いと、各個人の踊りは見えにくくなります。
その分全体の「作品」としての評価が点数に反映されやすいという特徴があると思います。

我々世代では、3-5人のダンスチームが一般的で、6,7人だとかなり多い方でした。
今回のように10人を超える、20人とか30人とかで踊るというケースはほぼありませんでした。
これだけ大人数になってくると「個々のダンス力」という事とは別に「全体での作品力」というのはどうしても問われてきます。
これはある意味新しい指標です。

要するに、チームメンバーの個々のダンス力を比較して、
ダンスがうまいチームが勝つというよりも、
ダンススキルも含まれるが、
フォーメーションや振付などの要素も加味し全体として採点されるという事です。

その意味では必ずしも、
 入賞=ダンスが上手い
 選外=ダンスがよくない
という事ではないと思います。

ダンス力と構成力のバランスがいいチームか、
どちらかが突出していいチームが比較的入賞しやすいと言えるでしょう。

出演者や指導者のダンスに対する考え方で、内容は相当変わってくると思います。
全体での動きによりフォーカスするのか、
個人のダンスによりフォーカスするのか
・・・という部分です。

自分はダンス審査員なので、皆さんの作品を「集団行動」としてではなく
「ダンス」として見る役割だと思います。
できるだけ「ダンス」部分を見る努力をしながら、全体も見るという視点で審査させていただきました。

ジャンルや考えが違えど、皆さんのこのダンスコンペティションにかける気持ちはひしひしと伝わってきました。
その熱い思いを糧に、自分も、皆さんと同様ダンスを深めていけたらなと思います。

入賞されたチームも、入賞できなかったチームも、
またこれをいいきっかけに更に自分たちにとってプラスとなる活動を続けていっていただけたらと思います。

ジャッジの自分とHARUKIそしてオーガナイザー鍵谷。同級生のチーム50祭です!

以下はチームごとの簡単な感想となります。


●B-Crew
作品は冒頭のルーティーンのインパクトが強く、コンペティションとしてはいい出だしだと思いました。中盤はダンスのスキルが見えやすい音と踊りだったので、まだ煮詰める余地があるのかと思います。

●spinells
素敵な衣装でかっこよく踊っておりました。
腕の動きだけではなく、体幹のリズムがもう少し感じられるようになると、更に素晴らしいのではないかと思いました。

●Kirameki☆glitter
音に対して強い動きでとるというと特徴的なムーヴが、作品全体として評価されたのだと思います。音源とのシンクロ、踊りという意味では個々の成長の余地がまだあると感じました。


●Re.Regina
JAZZ のテクニックだけでなく、PUNKING なども使った、ジャンルを横断したような振付で、練習も大変かなと思います。
踊りの種類、テクニックが多いだけに、一つ一つを深めると良さが増すと思います。

●EdeeT
アニメーションやタットを駆使して、
「よくこんないろんなフォーメーションが考えられるもんだ」
という感じに様々に面白いフォーメーションとムーヴが変化していく作品。
面白かったです。
ただこの感じのチームは他にもいくつかあるので、どうやって差別化するかが今後のポイントになってくると思います。

●J.F.Oberin University Cream
素晴らしいテクニックに裏打ちされた演技。
練習なくしては表現できない、好感の持てる踊りでした。
踊りとして考えると、欲を言えば
もう少しワビサビのようなところがあってもいいのかなと思ったりしました。
まぁちょっと欲張りな感想かもしれないです。
それだけしっかりしたパフォーマンスでした。

●Rook A Tribe
流行にキャッチアップしたスタイル。
少人数ながら、ダンス愛を感じるナンバーでした。
ダンス愛というか、ジャンル愛?でしょうか。
自分の踊っているダンスジャンルに対する愛情が出ている踊りは見ていて気持ちがいいです。

●cygnet
踊りのスキルが安定したメンバーによるパフォーマンス
安心して見れました。
ポーズや、コンタクトしながらフォーメーションが変化していく流れなどはとても面白く、見ていて飽きないナンバーでした。
しいて言えば、「強い」打ち出しがどこかにあってもよかったかもしれません。
自分的には高評価でした


●ASIAN WAACKING SENSATION
このチームは一言でいうと圧巻!
ザ・エンターテインメント。
計算しつくされた展開。
フォーメーション。
はや替え。
テクニックで見せるところ、演出で見せるところ。
本当に飽きの来ない展開で感心しました。
場面転換部分で次の人たちが見えないのが本当は理想だとアドバイスしたので、なんとか工夫してもらえたらなぁと思います。


●dim
こちらも5人という、比較的少人数ながらパフォーマンスは一定のクオリティを保っておりました。
ただ、作品全体の中での強弱があまりなかったのかなと感じます。
どこを一番見せたいのか、そういうところが伝わってきたらさらに良かったかなと思いました。
あとは衣装がちょと意味ありげな感じだったのですが、自分にはどういう意味でこの衣装なのかが分かりませんでした。
なにか作品とのリンケージがあったのかなぁ・・・と、そこに疑問が残っております。


●CHEESE!!
独特な振付と構成で見せる作品でした。
衣装の配色や線などが、かなり計算されていて振付を面白く見せるのに役立っていました。
個人個人の「ダンス」という意味ではまだまだ先があると思います。
ダンス力が上がれば作品も更にレベルアップするかと思います。


●Little Feet Hills
日本ではまだまだ少ない、ライトフィートのショーケース。
ニューヨークの地下鉄でのダンスをモチーフにした、日本の電車ヴァージョンという面白い設定でした。
ランドセルをしょった小さい子がとても上手で感心しました。
動きや技のバリエーションがもう少しあったら更によかったかなと思います。
日本でもこのジャンルの人口をもっと増やして欲しいので、これからの活動に期待したいです。   

 

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