NEXTREAM21 DANCE CONTEST 一般部門 2019

2019年4月29日

NEXTREAM21(ネクストリーム21)ダンスコンテスト
一般部門が開催されました。

このコンテストは、品川にある、財団法人六行会という団体が、ダンスという文化振興の為に開催していただいている素晴らしいコンテストです。
今回は、KIDS コンテストに引き続き行われた一般部門の所感を書かせていただきます。
このコンテストはKIDS部門と同様、照明プランを受けて、作品に照明までつけてくれるという、出演者思いの行き届いたダンスコンテストです。

一般部門に関しては、約1か月前に予選を開催し、予選に参加した全ての参加者の方に審査員からのアドバイスがあります。
予選通過者の皆さんはこのアドバイスを受けて作品をブラッシュアップし、本選に臨むわけです。
何故そのような事をしているかというと、このコンテストがダンスカルチャーの向上を真剣に考えているからです。
作品の良し悪しを審査員が判定するだけというのが通常のコンテストの在り方だと思いますが、予選をわざわざ行い、アドバイスをして、改善した結果で改めてコンテストを行うという流れは、自分の知っているコンテストの中では唯一です。
この制度を取り入れてから、決勝での皆さんの作品は目に見えて向上するようになっており、予選とそのアドバイスの意味が凄くあるという事を肌で感じております。

さて、このコンテストは優勝者の商品も超豪華です。
優勝は、賞金30万円か
賞金10万円とホール4日間を無料で借りる権利
のどちらかを選択できるようになっております。

ホールの無料貸し出しは、ダンス公演をすることで、より自分たちのダンスに向き合い、更に向上してもらいたいという六行会の思いが込められております。
本当に素晴らしい六行会のご配慮です。

こんな素晴らしいコンテストは世の中にあまりないのですが、
何故か、コンテンポラリーの方の参加が多く、しかもソロやデュオの方が大半となっております。

ストリートダンスやJAZZやその他様々なダンススタイルの方も是非ご参加いただきたいです。
ジャンルを超えて刺激しあって、ダンス文化を向上させていきましょう。

皆さん、是非この最高の機会を逃さぬように、来年は更に多くの方のチャレンジをお待ちしております。

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以下、参加作品ごとの簡単な所感です。
参考になれば幸いです。

週末のレモネード
楽しそうな2人の関係がよく表現されていて自分的には見やすい作品でした。
真っ赤な衣装も作品の感じにあっていて良かったです。
どこかにより強い打ち出しがあったほうがよりいいのかなと思いました。

Belight
若いエネルギーと純粋な想いがストレートに伝わってくる作品でした。
技術などはまだまだ先があると思いますが、高校生という年齢や環境でないと表現できない「今だけの自分」がここにあったと思います。


斎藤コン
「ブリッジ」という特殊な姿勢に焦点をあて、こだわった作品でした。
そういう強い突き抜けは特にコンテンポラリーではとても必要なことだと思います。
ブリッジを活かしたフロアームーヴはもっと沢山あるので、B-Boy達のムーヴを学んで、ぜひバリエーションをもっと増やしていただけたらと思います。


岡本五
一本サスの使い方もよく、見やすかったです。
身体能力も高く、様々な動きをしていて、一人の表現としてはかなり良かったと思います。TATのムーヴのバリエーションを増やしたらもっと面白いものが作れるのかなと思いました。


ちぐはぐ
舞台を走り回る2人の運動量と、そこから「人間」の息ずかいがとてもよく伝わってきました。
そしてそれとは逆に機械的な反復音と無機質な動作で構成されている作品が、
人間らしさと無機質さという相反するもののコントラストが感じられてよかったです。


久保田舞、西純之介
段ボールから出てくる演出は面白かったです。
演者の男性の跳躍力、運動能力の高さを感じました。
段ボールをつぶすところは、強いエネルギーを感じましたが、後半はもっといろんな表現があってもよかったかなと感じました。


大西優里亜
ダンス映えする恵まれた長身でかっこいいです。
踊りもきちんとした基礎を積み上げていて、安心して見れます。
音の取り方や、踊り方、もしくは構成でもいいのですが、盛り上がりポイントを作ることでより印象にのこる踊りができるのではないかと感じました。


曲沼宏美

ソロデュオ部門優秀賞 曲沼宏美

扇子を使った演技はあまり見ることがなかったのでとても新鮮でした。
閉じたセンスはただの布のようにも見え、開いた扇子は大きな存在感があり、それを自在に操る演技は素晴らしかったです。
個人的にはもっと扇子のいろいろな動きがみたいなと思いました。


樋浦瞳
「おちる」というテーマでしたが、「おちる」というよりも「葛藤」という感じに自分は感じました。
音のせいもあると思いますが、見せ方が割と平均的だったので、盛り上がりをどこかに作ったら更にいいのかなと思いました。


平原惟
一定の安定した技術力で、安心して見れる作品でした。
踊りの切れ目がわかってしまうところがあったので、切れ間なく音とシンクロすることを考えると更によくなるのではないかと思いました。
お怪我から奇跡の復活をされたようで、本当に良かったです。
これからも体を大切に、そして踊り続けて下さい!!


散歩マスター

最優秀賞 散歩マスター

テーマでは、「決して交わることのない魂と抜け殻」とありましたが、個人的には交わることなない「すれ違い感」をあまり感じませんでした。
また、是非音と動きのリンケージも考えてやってみてもらいたいなと思いました。
最優秀賞受賞 おめでとうございます!!


SHIBATA MIWA

審査員特別賞_SHIBATA MIWA

良くトレーニングされて、技術力も高い踊りだったと思います。
どこを一番見せたいのか、そこがもっと明確になると作品の訴求力が増すと思います。


jewel

グループ部門優秀賞 jewel


始まり方が興味深く、引き付けられるところがありました。
ただ、2曲目とのリンクがあまり感じられませんでした。
バラードでしたが、踊りが実は全編激しく、そういう意味では抑揚がなくなってしまったのではないかと感じました。


R
わかりやすいテーマで、椅子の使い方なども効果的で良い作品だと思いました。
楽曲が短いフレーズのループなので、音楽的な展開が乏しく、それが作品を単調にしてしまう一つの原因なのかと想像します。
構成はよく考えられていているなと思いました。


4SCOT
冒頭部分から音楽が入っていく展開と、終わり方、このつながりで何を表現したかったのかが、自分にはよく分かりませんでした。
ダンスはきちんとしたレベルを保っていたと思います。


RAMS
このグループならではのエナジーにあふれている作品でした。
体の使い方、ポージング、そして何より音の取り方に関しては改善の余地がありと感じます。皆さんのこれからの進化に期待したいです!=====================

END OF THIS STORY