東京ハンバーグ in ダウンタウンDX

先日の番組、ダウンタウンDXにてお笑いコンビ、スピードワゴンの井戸田氏が演ずるもう一つの顔、

ハンバーグ師匠

のために川谷絵音氏が作った楽曲「東京ハンバーグ」にちょっとふざけた振付をさせていただきました。

「ハンバーグ師匠」、自分はかなり好きで、井戸田氏がやり始めたころからお気に入りのキャラクターとネタです。

正直、結構リアクションの薄い家族の中で自分だけビデオを何回も見て笑っておりました。

そんな中このお話をいただいたき、とても嬉しかったです。
打ち合わせに行くと、マネージャーのS氏によれば、井戸田氏は、
「目玉焼きとハンバーグのかぶりものをしたダンサーを後ろに付けたい」
とのリクエストを出しているとの事。
ここで「目玉焼き子」というキーワードが出てきたので、これは何かあるなと思い、聞いてみる。

TKO:「これって、なんかストーリー的な事があるのかな?」
S氏:「単なる思い付きじゃないですか?」
TKO:「いや、なんかきっとあると思うから話し聞いてみてよ」
と食い下がる俺に、S氏は、
「じゃ、せっかくなので直接会って話しませんか」

と、急遽合間の時間でミィーティングをセットしてもらった。

六本木のとあるレストランにて井戸田氏に初対面し、話を聞く
「目玉焼き子とハンバーグはどういう意図で付けたいんですか?何か裏にストーリーがあるんですか?」

井戸田氏は逆に面食らって返答してきた
「え、ありますけど、それを聞きくんですか?」

井戸田氏が驚いた理由は、
振付は、ストーリーのある、無しに関係なく作る物だと思っていたのと、
何より、何故自分が裏にストーリーを考えているのが分かったのかという、
2つの理由からだったようだ。


昔、金沢でサムライの舞台の振付と出演をした事がある。
リハーサル時、とあるシーンで、俺が演出家に同じような質問をした事がある。
「この戦いの場所はどういう場所で、どういうシチュエーションなのか?
そして自分たちの踊っているこの舞台の先の方はどうなっているのか?」
・・・と

この質問をした時には演出家の方が驚いて
「ダンサーの人はそういう”空間”とか、”シチュエーション”を意識して踊っているのですか?」と聞いてきた。

基本、踊りは楽曲に合わせて作るし、空間やシチュエーションなんて分らなくても作ったり踊ったりする事は出来る。

そして、そういう事を考えないで踊っている人、踊りを作っている人も沢山いると思う。

でも、裏にあるシチュエーションが分かっていたうえで作った踊りと、何も予備知識なしで作った踊りは絶対に異なってくると思う。
何故なら踊りは「表現活動」であって、単なる動作の連続ではないからだ。

明るい曲で踊れば楽しい感じになるのは当たり前だが、
割と明るい曲調の曲でも実は「歌詞が悲しい内容」というケースもある。
単純に「明るい曲」ととらえて踊るのと、
「歌詞の悲しさ」を踏まえて踊るのでは表現や深みが変わってくると思う。

それが人間の行う文化的な活動とその深みなのだ。


以下とても分かりやすい例をあげておきます。
自分が大好きなこの有名な楽曲、
Barry ManilowのCopacabana
歌詞を知らない方はまず曲を聞いてみてください。

明るいラテンのリズム。
リゾートか、南国の楽しい雰囲気しか感じられないと思います。

さて、この歌の歌詞をざっくり簡単に要約すると以下のようになります。

ローラはショーガールとして
ハバナでもっとも盛り上がっているコパカバーナで働いていた。
そして同じ店のバーで働いていたトニーと恋に落ちる。
ある晩、店にやって来たリコという客がローラにちょっかいを出して、
トニーともめごとになり、
トニーはリコに銃で撃たれて死んでしまう。

・・・そして30年の月日が流れ  同じ店

今はディスコになっているその店に、
ローラは30年前に自分が踊っていた頃の衣装を着てすわっている

ローラは
若さと
トニーと
そして正気も失ってしまっていた・・・

 

なんとまぁ悲しい内容でしょうか。

この内容を知ったうえで再び曲を聞いてみてください。
さっきとは全く違う感じになりませんか?
もしこの曲で振付をするとしたら、歌詞を知る前と知った後ではとても同じ振付はできないし、同じダンスは踊れないと思います。


さて、話を戻すが、井戸田氏によるとこの2人(目玉焼き子とハンバーグ)にまつわるストーリーはこうだ。

目玉焼き子とハンバーグはもともと恋人同士。
それがある時、パンの一味(ハンバーガーの上下にあるバンズを意味するようだ)にさらわれて洗脳され、今ではハンバーグを敵対視するようになってしまった。
ハンバーグは彼女の目を覚まさせて、あの時の2人に戻りたいと願っている。

 

ここまで具体的な話になっているとは俺も予想していなかったので少し驚くが、やっぱり最初にストーリーがあると感じた勘は間違っていなかった。

事務的な対応をするマネージャーのS氏は一緒に聞いていてもあんまり興味なし(笑)

この男は昔からの知人で、とても面白いキャラクターだが、興味の幅がはっきりしていて笑える。


それではこのストーリーをダンサーの振付に反映させよう。

・・・と言う事で、もし動画を録画した方は改めて見てみてください。
目玉焼き子とハンバーグが腕を大きく左右に回すシーンが全部で2回あります。
1回目は 向いている方向が同じか、方向が違った場合は振っている手が同じ方向です。
間奏の時に2人が仲たがいして離れてしまうシーンがあり、その後迎える2回目の腕を回すシーンでは、2人の腕の向きは一度も合わないように作ってあります。

一緒の方向を向いていた2人が離れ離れになってしまい、同じ方向を向かなくなってしまったという事を暗に表現している振付です。

ハンバーグと目玉焼きのかぶりものをしたダンサーが、ハンバーグ師匠の曲で踊るという、
言ってみればかなりアホなシチュエーションにもかかわらず、
こういう話を聞いてから踊りを見ると、大分味わい深くなってくると思います。


さて、
話は変わりますが、自分が大学生のころ、フジテレビ系列で「DANCE DANCE DANCE」というコンテスト番組があり、その司会をダウンタウンのお2人がやっておりました。
ダウンタウン大好きな俺は当時の仲間と作っていたダンスチームでこの番組のオーディションに参加し、出場が決定!!

「やったー、ダウンタウンに会える!突っ込んでもらえるかな!!」
とか思って収録に行くと、なんと自分の会から司会が変わっており、ダウンタウンには会えませんでした。

その後、テレビや芸能関係のお仕事をいくつもやらせてもらってきましたが、ダウンタウンに会う機会はありませんでした。

今回は初の生ダウンタウンに感無量です。

そして撮影現場はゲストが囲むように座っているので、画面で見るよりも結構狭いのです。

「目玉焼き子」ことRIKOは振りの途中で後ろを向いたら、ダウンタウンのお2人が至近距離にいるので、緊張しすぎて目を閉じて、見ないようにしていたらしい(笑)

トークでは松本さんにその事を突っ込まれていました(笑)

この楽曲、番組終了後にミュージックビデオも収録!
なんらかの形で皆様に見ていただく機会があると思います。

悲しくもあほらしく、そしてクールな、川谷絵音氏作のこの楽曲「東京ハンバーグ」

ジュ、ジュ、ジューっとチェックしてください。

 

はんばーーーーーーーぐっ!!

 

END OF THIS STORY