日本人メンバー6番目の男 Spartanic Rockers Story Vol.052

俺たちSpartanic Rockersの
波乱万丈な Story vol.052

スイスと日本の連合チーム、The Spartanic Rockers(スパルタニック・ロッカーズ)。
1999年我々は世界3大大会のうちの2つ、BATTLE OF THE YEARとUK B-BOY CHAMPIONSHIPS への出演が決まっていた。

ところがスイスメンバーのZEDがBATTLE OF THE YEAR は出られるが、UK B-BOY CHAMPIONSHIPS には出られないという。

メンバーを1人欠いてしまうピンチ!

この事態をうけて、俺はZEDの代役をしてくれる人間をアサインしようと考えた。

しかしながら、この代役我々のショーを全て覚えて、海外まで行かないといけないという、かなりヘビーな内容であった。

ツヨシと相談した結果、俺達は当時週1回練習で顔を合わせていた男、TOMO(トモ)にこの代役について相談することになる。

TOMOは最初、なんで自分なんだろうと思ったらしいが、それでもこのヘビーな内容を引き受けてくれた。

これほどの重要な役割を「代役」としてだけ頼むという事に大きな精神的呵責を感じていた俺は、悩んだ末に追って正式メンバーとしてのオファーをする事になる。(このオファーのタイミングがどのぐらいだったのかははっきり覚えていないです。)

ここで、日本人6番目のメンバーが誕生する事になる。


スパルタニック・ロッカーズ日本人6番目のメンバーとなるTOMOは四国の生まれ。のどかな環境で生まれ育ちました。

家のそばの景色だそうです。自然一杯の環境!

そして高校時代はハンドボール部でダンスとは無縁の生活を送っていたそうです。

当時人気絶倒だったダンスボーカルグループ”ZOO(ズー)”に影響を受けてダンスをやりたいと思い立ち上京を決意。
ダンス経験ゼロの状態でダンスの専門学校に入る。

*ZOOはご存知EXILEをスターダムに押し上げた楽曲”CHOO CHOO TRAIN”をもともと歌っていたグループで、ストリートダンスを取り入れたパフォーマンスで絶大な人気を得ていた。

当時を振り返り、
「体が動かしたかったのと、目立ちたかったのだと思います。許してくれた家族もかなり凄いなと今になって感じています。」
・・・と語るトモ。

確かに、ダンス経験ゼロからいきなり上京してダンスは相当人生が激変する出来事であると思う。

上京したトモ、学校の同期がBreakを練習しているのを目にして、カッコいいなと思ったのがこのダンスとの初めての出会い。

そこからブレイクにどハマりしてまう。

それまではダンス甲子園で「インペリアルJBs」をちらっと目にしたくらいで特に興味も持っていなかったという事なので、人生はタイミングが肝心なのだなと思う。

「負けず嫌いな性格も相まって、休み時間や放課後、最後には授業にも出ずに練習ばっかりしていました。」


そうこうしたある日転機が訪れる。
「専門学校内でブレイキンを練習している奴がいる」という話を伝え聞いたB-Boyが様子を見に来るのである。
それはWaseda University Breakers のチャオ。

*チャオはその独特な足さばきで、後にシーンに影響を与える事になるB-Boy。またWaseda University Breakers は早稲田大学に作られたブレイクのチームで、現在はブレイクだけでなく様々なダンススタイルを早稲田大学の学生以外も受け入れて行っている。

当時、早稲田ブレイカーズもロックステディクルーも何も知らずに、ただ技ばかり練習していたトモは、これを機に早稲田大学のサークル”WUB”に練習をしにいくようになった。

そして努力の甲斐あり、早稲田ブレイカーズのメンバーに入り、コンテストにも優勝するようになっていく。ただ、当時のトモは「早稲田ブレイカーズ」がそんなに凄いという情報も認識も無かったという事。

一方ブレイクと並行して、専門学校時代には、とあるTV番組の企画からダブルダッチをやることになり、12人で「J-TRAP」として活動していた。
当時は日本でダブルダッチをやっている人はほぼいなくて、それもあってかNBAの試合のハーフタイムショーへ披露したりもしたらしい。これも日本人初。

「余談ですが、当時よくダブルダッチの練習していた神宮橋では、シルク・ド・ソレイユのメンバーが公演期間中でよく歩いていいて、興味を持ったメンバーにダブルダッチを教える、なんてこともありました。数年後にはダブルダッチがシルク・ド・ソレイユの演目に入っていたようです。」

この時もトモは”猛練習”してダブルダッチをものにしていきます。


確かにトモは練習に対する姿勢がとても真面目で、真っすぐ。
天才的なツヨシやJOとは全く違うタイプで、ひたすら努力を積んで技を習得していくというB-Boyだった。

その後我々がスパルタニック・ロッカーズにまずは「代役」として
その後「正式メンバーとして」オファーをする事になります。

当時ツヨシがトモとは個人的によく遊んでいたのと、体育館での真面目な練習ぶりが彼を誘った理由ではありましたが、当の本人は「なぜ自分が誘われたのか疑問」であったと言います。

こうしてスパルタニック・ロッカーズに入ることになったトモ。
「当時を振り返ると、嬉しい気持ちの反面、プレッシャーは相当あったと思います。だけどもスケジュールに助けられたというか・・・。
相当厳しいスケジュールで大会に臨んでいたと思うのですがそのおかげであまり余計に悩むことなく目の前のことを必死にこなしていくうちに少しずつ慣れ親しんでいけたのかなと思っています。」

そうなのです。
新しいメンバーをチームに迎えた我々は、ここから怒涛のスケジュールで世界2大大会に向かっていく事になります。

 

End of This Story
To Be Continued


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