JO へ・・・ VOL.1  Spartanic Rockers Story Vol.047

俺たちSpartanic Rockersの
波乱万丈な Story vol.047

JO TRIBUTE VOL.1

1999年3月。
若くして突然この世を去ってしまったJO。
Spartanic Rockers の歴史の中で避けることができない悲しいストーリーである。

早いもので彼の死から20年の歳月が経ってしまった。
今回と、次回は、そんなJOの事を思い出し、Spartanic Rockers のメンバーからの思い出や彼に対する気持ちを載せていきたいと思います。

1回目の今回は、JOが去った当時、まだSpartanicのメンバーになっていなかった、
TIGER、BAY、TOMO、と自分の気持ちをアップします。
ご拝読いただき、亡きメンバーに少しでも思いを馳せていただければ幸いです。

●TIGER

オールドスクールナイトで初めて生で見て衝撃でした!
その後、UKやBOTYのビデオなどで何度も拝見しました!
飛ぶようなニューヨークとエアーが印象に残ってます!
もちろん影響も受けたし憧れもありました!
自分がSpartanicに入った時、JOさんはいなくなってしばらく経ってましたが、話しに出るたび「一緒に踊れたらなー」と考えてしまいます。
間違いなく日本のB-Boyシーンに大きな影響を与えた方やと思うので、その方と同じチームであることを誇りに思ってます。

●BAY

残念ながらJOさんとは一度も合ったことないのですが、日本のビーボーイビデオで1番何度も見たのはJOさんです。
あのスタイルが大好きで、真似しようにもできない憧れでしたね。
本当はスパルタニックに入り、JOさんと踊れる事が夢でした。
お話しもいっぱいしたかったです。

●TOMO

JO君と始めて会ったのは、早稲田ブレイカーズの練習場だったかなと思います。
(出合った頃が、あまり思い出せません。すみません。)

よく会話の中でツヨシっていうヤンチャ(ヤンキー)だけど、メチャクチャ上手い奴がいるっていう話を聞いたような気がします。
そのおかげでまだ会ったことのないツヨシの妄想が勝手に頭の中で大きくなってしまい、会ってもいないのにかなり怖がってました(笑)

一番覚えているのは、沖縄旅行の時の肝試しです。
(ダンスじゃなくてすみません(汗))
かなりの雰囲気の場所だったんですが、周り全員が怯えている中、1人火の玉型の花火を片手に異次元のハイテンションだったのを鮮烈に覚えています。
この時に、いろんなことが肌で納得出来たような気がします。(笑)

でもそれを言い出すと、原宿駅前を大声で熱唱しながら爆走していた豪くんも、
札幌でマクドナルドの店員に噛み付いているタイガーも、
酔っ払うとおしゃべりになって相撲を始めるベイちゃんも、
言葉が全て下ネタに変換されてしまうツヨシも、
佐久間さんに至ってはエピソードありすぎて困るくらいで、
皆かなりのオンリーワンだと思います。
それをまとめていた宮田さんもかなりのオンリーワンですよね。
もし自分がまとめなきゃいけない立場だったらと思うと胃に大穴が開いてしまいますね。
話それました、すみません。

JO君の話に戻ります。
当時、中野体育館で週一でよくみんなと練習していて、テンションの高さも並外れていてビックリなんですけど、それよりも無尽蔵な体力に毎回びっくりしていました。
疲れているところをあまり見たことがないというか、疲れているという表情をほとんどしていなかったように覚えています。
疲れていないわけなんてないですよね。
そういうところも凄いなと。

カラオケで朝までバイトして、そのまま昼まで練習してるっていう話は何度か聞きました。
とにかくめちゃくちゃ練習しているんだなって印象です。

ですが、あの独特のオンリーワンの雰囲気は他に全く例えようがないです。
性格ですかね。
JOそのものですよね。(廃墟で一人だけハイテンションになってたのを見た後だとなんか妙に納得できましたけど)

あとは、ちょっと寂しがりや(ちょっとじゃないかも)なところがあったのも覚えています。

亡くなった当時、連絡を受けた時は信じられなくて。
声出しながら泣くなんてことを生まれてこの方したことなかったんですけど、初めてでした。
落ち着くまで結構時間がかかったのを覚えてます。
こうやって思い出していくと何て言うのか、すごく悲しいですよね。
やっぱり。
自分はその頃はまだチームには、入ってませんでしたし、世界一になった後とかに、世界一スゲーッとか言いながら一緒に飲んでいただけなのに。

宮田さんはじめ、当時のメンバーにとっては相当な出来事だったんだろう事は、全部ではないですが、想像はできる気がします。
自分があまりベラベラ喋るのもちょっと違う気がするのでこの辺にしておきます。
ちょっと内容が趣旨と違ってしまっいるかもしれません。
申し訳ありません。

●宮田健男
JOは、目立ちたがり屋の、お調子者で、常に明るく振る舞う男であった。

ファーストコンタクトは正直ちゃんとは覚えていない。
ツヨシに聞くところによると、昔俺が練習していた池袋の練習場所にツヨシが連れてきたのが最初のようである。
最初は恐らく、ツヨシの印象が強すぎて、JOはそこまででもなかったんだと思う。

その後ツヨシと同様、メキメキと腕を上げているJOの存在は当然俺も意識していた。
JOがSpartanicに入る前も、練習で会う他、月に1度はダンスイベントなどで顔を合わせていたんだと思う。
JOはかなり独特なセンスで、オリジナリティー溢れる独自のムーヴを開発していた。
奴はめちゃくちゃだから、麦わら帽子にアロハで裸足というようダンスと関係ない格好でショーに出てブレイクをやったりするふざけた奴だ(笑)

ロンドンに一緒に行った時、楽屋でバトルの流れについて話していると
JOがあまりに「俺は、俺は」と自分の事ばかりを話すので、一喝した事を覚えてる。
彼は、あれでいてセンシティヴなところもあって、俺に怒られると一瞬シュンとなって、その後は少し遠慮していたように記憶してる。
今考えると、見た目や立ち振る舞いから受ける印象に比べて、俺の話はちゃんと聞いてくれていたのかなと思ったりする。
あれでいて、先輩には気を使う所もあり、意外と礼儀正しい奴だった。

JOのいいところは、周りの皆に対してとても優しいというところだ。
ダンス始めたての人や、そこまでよく知らない人、ジャンルが違う人に対しても、
彼は分け隔てなく、優しく話しかけていた。
ツヨシいわく、JOは結構女子にもモテていたとういが、それはそういう優しい所があったからだと思う。

奴は、出会うべきしてブレイクに出会ったに違いない。
他の何かでは代用できないような、才能の開花があったと確信している。
やがてJOの才能は、シーンに影響を与えるほどになった。
それは奴のもって生まれた身体能力の高さや、ブレイクに対するセンスの良さのせいもあるが、陰で黙々と続けている練習のせいも当然あったと思う。

ある時、豪が話してくれたエピソード。
JOは、練習スタジオの下の自動販売機で炭酸飲料を買うと、いつもそれを一気に、凄いスピードで飲み干すという。
普通は少しづつ飲んでいくものだと思うが・・・
あまりに勢いが凄いので、GOがそれに対して突っ込むと、
「時間がもったいない」と言っていたそうだ。

JOが亡くなった時に当時の自分の彼女(今の妻)が

「一生分生きたよ」

・・・と言って慰めてくれた。

その言葉がずっと心に残っている。

確かに、彼は他の人よりも濃い時間を駆け抜けるように過ごしたように思える。
その濃度で言えば、もしかしたら、本当に一生分生きたのかもしれない。

人間が一生で使える「エネルギー」というのはある程度決まっていて、
その「エネルギー」を早く使い切ってしまった人は、早く亡くなってしまうのかな、と思ったりする(完全に俺の想像です)。

マイケル・ジャクソンや、ホイットニー、ブルース・リーやプレスリーなど過去の大スター達も皆短命だ。

炭酸飲料を一気に飲み干すJOは、そうやって普通の人の何倍も速い時間の中で生きてきたのかもしれない。
そして一生分のエネルギーを早く使い果たしてしまったのかな???

JOが亡くなってしばらくした後の事。
俺は彼の死の喪失感から、まだ時々ぼんやりしてしまう、そんな日常であった。

ある晴れた日に、
俺は当時の仕事先の近所を自転車でノロノロと走っていた。
頭の中では「JOがもし生き返るなら」という「お題」がぐるぐると廻っていた。

俺は自分自身に問いかけていた。

もし、一生でどんな願いでも一度だけかなえられるとしたら、
俺は自分のあらゆる他の願いを捨てても
「JOが生き返る」という願いをとれるのか?

俺は現実にはあり得ない、意味のない事を自分に問いかけていた。

「あいつは、俺が自分の願い事を捨ててまで生き返らせても、
そんな事いつのまにか忘れて、ヘラヘラと生きていきそうだな。
どうしようかな・・・」

と心の中で迷っていたのだ。
しばらくこの意味のない自問自答を続けた後に、
俺は決めた。

「よし!生き返らせよう。
例えあいつがその恩を忘れてしまっても。
それでもいいから、
生き返らせよう。」

そう思えた瞬間に、俺のなかで何か一区切りがついた。
JOを失った喪失感は消えなかったけど、
それを受け入れて生きていこうという決心がついた瞬間だったんだと思う。

JO 悪いけど
守るべきものがいくつもある現在だったら、
多分別の願いをとってます(笑)

君が逝ってから、はや20年経ちました。
今や君の事を知らない人の方が多くなってしまったと思う。
でも、俺達は、ちゃんと、死ぬまで君の事を忘れずに生きていきます。

炭酸飲料はゆっくり飲んで、
「適切なスピード」で生きていきます!

君の事をいろいろと思い出していたら、
君が俺に一度だけ教えてくれた、パワームーヴのつなぎの練習の仕方を思い出した。
今まで一度もやらなかったから、今日から始めてみます。

また何十年後かに会ったら、楽しく飲んで踊りましょう!

その時に見せるので、お楽しみに!!!

End of This Story

To be continued


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