2018年 全日本高等学校チームダンス選手権大会 Part.3

2018年9月16日
北九州メディアドームにて、
高校生のダンス部ナンバーワンを決定するコンテスト
「全日本高等学校チームダンス選手権大会」
の決勝大会が開催されました。

ジャッジさせていただいたこの大会について所感ブログPart3です。

前回は楽曲選択の事について書きました。

今回はその他気になったことについて書きたいと思います。

 

運営にたずさわる先生方からのご意見もありましたが、この大会はダンスの大会であるので、ダンスに一番重きをおいてジャッジするのが正当です。

それは何を意味するのかというと、

 

例えば、

 

・皆の動きが揃っているか

・衣装が素晴らしいか

・曲がキャッチーであるか

・演出が面白いか

・一生懸命躍っているか

・表情がいいか

 

等は全て評価の対象になると思いますが、

重要事項ではないという事です。

 

では評価の対象はどういった事になるのか

 

それは、ダンスです!
ではダンスとはいったいどういう要素を考慮して考えるのか。

自分の意見では以下の様な要素が考えられます。

・音楽とのシンクロ性(ビート/メロディ双方の要素があります)

・グルーヴ(音のうねりを捉えられているか)

・テクニック

・身体能力

・各ジャンルの持つ特異性(優位性)

などを総合的に判断して点数をつけていく事になります。

 

自分個人の意見を言わせていただくと、ダンスにおいて最も大切なのは

「音楽とのシンクロ性」です。

 

音と一体化するという事がダンスの第一義であると考えております。

皆の動きが揃っているか大事なのではなく、

音楽と自分の踊りが揃っている事が一番大事なのです。

 

まれにコンテンポラリーダンスなどで、無音で踊るというケースがあるかと思います。

これは、体を使った表現活動であり、決してそれを否定しているわけではありませんが、ヒップホップをはじめとするストリートダンスでは基本的にこういうケースは当てはまりません。ストリートダンスは音楽があって生まれてきたものだからです。

 

この件に関しては、また別途詳しく書きますが、

踊りが「揃っている」のは

 

1人1人が音楽に合わせた結果、集団で見てもそろっているのであり、

人間同士が動きを揃えた結果とは大幅に異なります。

 

多くのチームは、「動きを揃える事」に終始しているんだろうなという状態が見て取れました。ここは絶対に外せない、ダンスの第一義の部分なので、皆さん是非今一度考えていただきたいと思います。

 

例えそれが集団でのダンスであっても、大切なのは自分と音楽との関係です。

1人1人が音楽との関係性を強めなければ、ダンスの音楽性は高まりません。

 

これは、自分も含め私達がよく陥る間違いですが、人生においては目的と手段が入れ替わってしまう事がままあります。

 

ダンスにおいて考えると、隣の人との動きやタイミングを合わせるという事は、とても分かりやすく、そして達成感もある間違いです。

 

隣の人との動きをどれだけ合わせても、音楽とは合っていきません。

ダンスは音楽の子供です。

音楽無しにストリートダンスは生まれておりません。

ダンスを良くするには音楽と自分の関係を築いていくしかないのです。

隣の人と動作を合わせるよりもずっと時間はかかると思います。

でも、それがダンスなのです。

 

そして、何よりも、

音楽と自分が一体化することを理解し経験したら、その「幸せ感」は至高のものです。

部活を辞めた後でも、踊りをちゃんとやる機会から遠ざかっても、一生財産として持っていける宝物です。

 

ダンスにたずさわり、音楽と一体化する幸せな感覚を学んできた自分は、この幸せな経験を出来るだけ多くの皆さんにもシェアしたいという気持ちが強いですし、これが自分のライフワークなのではないかと考えております。

またまた続きはPart4で!

 


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