いよいよ決戦の日!BOTY1999 Spartanic Rockers Story Vol.059

俺たちSpartanic Rockersの
波乱万丈な Story vol.059

いよいよ、BOTY本番当日!

1999年のBATTLE OF THE YEARは、
旧東ドイツの、ライプツィヒで開催された!

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ドイツ、BACK SPIN MAGAZINE に掲載されたSpartanic Rockers 特集!


いわゆる展示会場のようなだだっ広い場所に、仮設の舞台を組んだ会場であた。
日本のダンスイベントとは規模感が全く違う。
その巨大なスペースでスタートするイベント。
開場と同時にスタートするDJの音楽に合わせて、そこここに、サークルが出現。
腕自慢のB-Boyや、踊りたくてうずうずしている観客や、出場者達が入り混じり、そこここでサークルバトルが早くもスタートする。

いまだ見たこともないチームが多数参加する中、注目を集めていたのは前述のとおりフランスのFAMILY(ファミリー) や アメリカのROCK FORCE CREW(ロックフォースクルー) 、そして韓国のバトルでも一緒だった、カナダのBAG OF TRIX(バッグオブトリックス)などであった。

 99年当時のBOTYのルールはこうだ。
まず全てのクルーがダンスショーケースを行う。
そのショーケースを見て、ジャッジが上位4チームを選出。
ショーケースの3位と4位がバトルで3位決定戦を行い、同じく1位と2位が1位決定戦を行うという流れである。

要するにショーケースで上位に食い込まない限りはバトルのチャンスもないというルールだ。

この時の俺は、我々、Spartanic Rockersのショーケースにかなり自信があった。

立ち踊りも多用しているのでやったことがないスイスのメンバーは不慣れなところがあったが、エンターテインメントとブレイクを融合させた、最高のショーであるという自負があった。 

次々と世界各国のチームがショーを披露する中、いよいよ我々のショーの時間がやってくる。 

忍者の衣装に身を包み、刀を携えて舞台に登場する我々。
その演出自体が、当時のBOTYでは全く考えられない、ショーケースであった。
いうのは、多くのチームは衣装もバラバラで、ショーにストーリーなどなく、また演出もなく、ダンスのルーティーンとソロの組み合わせをしているだけだったからである。

98年のヨーロッパで、ストリートファイターをモチーフにしたショーを披露した後、ヨーロッパのB-BOY達はこぞってこのネタをパクり、同じような音源で同じような演出をしているチームを多々見かけた。

しかしその時の我々は全員が衣装を変えたりする事は無く、全体的なストーリーも無くというものであったが、今回はいきなり

「拘束された忍者を仲間が救いに来る」

というシーンから始まる、思いっきり「演出」のあるショーケースである。

こういう内容はBOTYというかヨーロッパのみならず世界のBBoy史上では恐らく初の試みで、この後多くのチームやシーンに確実に影響を与えた内容であった。

歌舞伎の声の演出で始まる音源。
ザ・ジャパニーズ といった敢えての演出。
鼓(つづみ)の音とともに、登場してきたTOMOが、拘束されている忍者(俺、ツヨシ、佐久間さん)のロープを次々に刀で切っていくという内容。

そして拘束を解かれた忍者が始めるのはHIP HOP のGOD 、アフリカ・バンバータによる名曲、PLANET ROCK から始まるPOPのルーティーンである。

PLANET ROCKの曲初めのダン、ダン、ダン、ダンという4回繰り返すアタック音で、我々は刀を打ち合っている(練習中に、アタック音に合わせて刀をぶつけるという演出を思いついたときは結構盛り上がったのを覚えている。)そのうち合うタイミングに合わせて刀のぶつかり合う「シャキーン」という音を後からMIXして被せた。

本当に細かい演出だ。

ちなみに今回のこの楽曲は、当時の東京のダンスシーンでは、皆が曲作りでお世話になっていたGUTCH-G氏と、ほとんどダンスイベントがない時代に、月一で定期的にイベントを開催していたDJ WAKA氏の両名にお願いて制作した楽曲であった。
前にも書いたが、今のように誰もが音を編集する技術も器械も持ち合わせていなかったのである。
「歌舞伎」の声や音をミックスするというアイデアは佐久間さんが考えて、DJ WAKA にお願いして作ったと記憶している。

インストのトラックに合わせて、「歌舞伎の声」が響く。

これがまた、何とも言えないぐらいマッチしていて素晴らしい!
踊っている俺達のテンションもマックスな状態で、最初の忍者パートが終了する。

そこに現れるのはアーミーのコスチュームを身に着けたスイスメンバー3名。Monty、Remy,Zedである。
手榴弾で忍者を粉砕(笑)
その後、スイスアーミーの3人がブレイキンのルーティーンでカマス!

この3人のパートはスイスの3人が自分達で考えた振付ですが、やはり日本人の我々とは違う発想で作られていて面白いです。
登場時、一番左、ゼッドのきおつけの姿勢が面白い(笑)
ところどころにアーミーの仕草を差しはさんでまとまった内容です。

アーミーのパートが終了すると、ここからショーは忍者(日本)対アーミー(スイス)の対決パートに移行していく!!

End of This Story
To Be Continued


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