俺たちSpartanic Rockersの
波乱万丈な Story vol.050
3人に戻ってしまったスパルタニックだったが・・・
GOはパニクルーの活動の為に、東京を去り大阪へ。
JOが亡くなってしまった後、我々はまた日本チームを活動し始めた当初のメンツ、俺、ツヨシ、佐久間さんの3人に戻ってしまった。
しかし”時”は、そんな我々の事情に関係なく過ぎていく。
そして、次に我々を待つのは世界2大大会。
98年に初めて出場し、日本人として、いやアジア人としても世界初優勝を果たしたUK B-BOY CHAMPIONSHIPS。
そして、同じく初参加でBEST SHOW AWARD を得るものの、バトルでの優勝までたどり着けなかったBATTLE OF THE YEAR 。
我々は、98年の大会での実績を経て、両大会から参加オファーを受けていた。
大事なメンバーを2名も欠いたSpartanic Rockers(スパルタニック・ロッカーズ)ではあったが、その一方ちょっと嬉しいニュースもあった。
それは、日本人メンバーが大会に出る際は、スイスメンバーも一緒に出てもいいという許可が出た事であった。
前年の98年、ドイツで開催される世界大会”Battle Of The Year”(バトル・オブ・ザ・イヤー=BOTY) では、スイスで予選があるのにスイスのメンバーがその予選に参加しないで世界大会に出るのはダメだとストップがかかってしまっていた。そのためスイスメンバーのRemy(レミー)とMonty(モンティ)は、勇敢にもたった2人でスイス予選に挑戦。
惜しくも敗退し、世界大会に参加することは出来なかった。
しかし日本人だけで参加した98年度の我々の功績を経て、両国合同での参加が許されたのである。
Spartanic Rockers はもともとスイスのチームであるから、オリジナルメンバーと一緒に出られるという事はこの上ない喜びであり、チームとしては当然の形でもあった。
嬉しいは嬉しいのだが、問題は練習である。
我々の住む東京と、スイスメンバーが住むスイスの首都ベルンを隔てる距離は9600km。
気合で埋められる距離ではない(笑)
当時はネットもまだ黎明期で、大容量になる動画データをやり取りする方法は存在しなかった。
これはなんとか集まって練習するしかない!!!
大会の日程が具体化するにつれ、我々の練習計画も具体化していく事になる。
99年の2大会の予定はこうだった。
Battle Of The Year : 1999年9月18日 LEIPZIG(ライプツィヒ/ドイツ)
UK B-BOY CHAMPIONSHIPS 1999年9月26日 LONDON(ロンドン/イギリス)
両大会は、たまたま1週間のズレで開催されることとなった。
これは俺達にとってはラッキーな事であった。
何故ラッキーかと言えば、日本から遠くヨーロッパの地で行われる両大会、時期がずれていたら、我々は2往復しなければならない。当然、時間もコストも2倍かかってしまう。
しかし今回は1週間のズレという事で、ヨーロッパ内の移動であれば大分節約できるというものだ。
ということで我々の立てた練習計画は、
1.まず夏にスイスメンバーが来日し、1週間日本人メンバーと練習を行う。
2.BOTYの1週間前に日本人メンバーがスイス入りし、再び合同練習を行い大会に臨む
・・・というものであった。
98年に初めて参加したスイスのURBAN SKILLS(アーバンスキルズ)という大会には、日本からは俺、ツヨシ、佐久間さんの3人、スイスからはRemy、Montyの2人の合計5人で出場した。
しかし今回は、Spartanic Rockersのもう一人のメンバー、”ZED(ゼッド)”もイベントに参加できる事となった。
ZEDは98年の春に初めてスイスを訪ねた時に会ってはいるが、その当時はあまり活動をしている状態ではなかったので、ショーやバトルには一緒に出られなかったのである。
自由人な彼はその後、イギリスの老舗チーム”Second to None”で活動をしたり、約5年に渡ってアジア放浪の旅に出たりしていた。
ZEDは20年来Spartanic Rockers のメンバーと近しく、練習も一緒にしてきたのだが、97年に正式にチームに入ることになる。
実はZEDは、スイスを代表するB-Boyであった。
1987年にBasel(バーゼル)で行われたコンテストでBest B-Boy に選ばれ、91年にはスイスチャンピオンシップで優勝するという実績の持ち主。
その独特なムーヴのフロー(流れ)は、今見ても斬新なところが沢山ある。
そんなZEDではあるが、その人柄はSpartanic一と言っていいほど陽気で、気さく、そして温厚。
時にはビールを飲みながら練習することもあるという型破りなところもありますが(笑)、常に陽気に振る舞う姿は全く憎めないキャラの持ち主である。
今回初のZEDとのコラボという事で、若干不安もあったが楽しみもあった。
・・・という事で我々は再び東京の地に集まり練習することとなった。
日本人3名、スイス人3名 全部で6名。
ようやく本来のSpartanic Rockersとして、世界の大会に臨む事が出来る事になったのである。
End Of This Story
To Be Continued
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