俺たちSpartanic Rockersの
波乱万丈な Story vol.038
フランス 対 アメリカ!エキサイトし過ぎた2チームのバトルは意外な結果に・・・
ドイツで行われている大会、Battle of The Year 98に参加しに来た我々Spartanic Rockers(スパルタニック・ロッカーズ)。
予選を経て、最終のバトルに残る事は出来なかった我々は、そのまま会場で決勝のバトルを観戦することになる。
決勝を戦うのは、フランスのファミリー 対 アメリカのロックフォースクルー。
一歩も引かずにエキサイトする両チーム。
さて、この時闘っていた両者、「アメリカ」と「フランス」の2国は、
自分の個人的な見解ではあるが、ともに人一倍自尊心が強い国だと思う。
そういう思いがこのバトルにも現れていた。
両者のやり合いはどんどん激化していき、その不穏な空気感は今でもよく覚えている。
エキサイトし過ぎた両チームはどんどん前にせり出してくる。
そしてこの興奮状態はジェラルドの後に出たイブラヒムのターンで一気に頂点に達する。
FAMILYのベテラン、パワームーヴマスターのイブラヒム。
彼はパワームーブ中にだんだんロックフォースサイドに移動していってしまい、ロックフォースのメンバーに当たってしまい、ムーヴが中断してしまう。
現場で見た感じも、また今映像を見返してみても、ロックフォースのメンバーがわざとあたりに行っているようには見えない。
イブラヒムが移動してしまったのと、両チーム前にかなりせり出してしまっていたのが原因だと思われる。
だが、これがきっかけに両チームは乱闘状態に!
怒るイブラヒムにファミリーのメンバーはなだれ込むように加勢する!
ロックフォースのメンバーともみくちゃになり一触即発状態!!
MCや関係者が間に割って入り、一応事態は収拾するがこの一触触発の状態のままバトルは進行していく。
サラはここでもかなりアグレッシブにバトルを展開してくる。
フランスサイドはサラに限らず、バトル中終始挑発的な態度であった。
この後バトルはしばらく続くが、あまりいい状態ではなく、相手の邪魔をするようなやりあいがつづいてタイムアップ。
ロックフォースの最後のムーヴは、邪魔をするファミリーのせいでほとんど見えない状態であった。
なんとも後味の悪いバトル。
さて、全てのコンテンツが終了し、いよいよ発表の時間となった。
なんと、ここで我々SPARTANIC ROCKERSの名前が呼ばれることとなる!
それは、”BEST SHOW”というPRIZE(賞)であった。
残念ながらバトルには残れなかったものの、
「最高のショーケースをしたチーム」
という称号を得ることができた。
確かにショーケースには絶対的な自信があった。
努力は無駄ではなかった。
ただ、個人的には報われた気持ちよりも、バトルに残れなかった残念な気持ちの方が強かったと思う。
しかしながら今から振り返って考えれば、あの最悪なヒザの状態で、仮にバトルに残れたとしても、ろくな働きは出来なかったはずだ。
そういう意味では、バトルに残れなかったのは仕方なかったし、幸運だったのかもしれない。
さて、ファイナルバトルの結果も発表された。
結果はロックフォースクルーの優勝。
優勝ではあったが、今回はいわくつきの判定で会った。
フランスのファミリーは乱闘騒ぎを起こしたという理由で、いわゆる反則負けというような説明がされた。
映像ではわからないが、実際には相手を殴ったという話である。
仮にファミリーの反則がなくても、自分的にはロックフォースの方が何枚も上手であるという感想で、バトルの結果は明白であった。
しかし、会場はそう簡単には収まらなかった。
ファミリーのサポーター達がこの結果が不服で、騒ぎ始めたのである!
会場では”FAMILY、FAMILY” ・・・と連呼する観客の声がこだましていた。
そしてその後の舞台裏では同じく、FAMILYのサポーターがジャッジをしていたKEN SWIFT(ケン・スウィフト)に噛みついているシーンも目撃した。
KENと言えば、ニューヨークの老舗、ROCK STEADY CREW 出身の、B-BOY界の重鎮で、正にレジェンド。
比較的おとなしい我々日本人からみたら、B-Boy界では神的な存在であるKEN SWIFT を捕まえて物凄い勢いで抗議をしているサポーターの態度は考えられないものであった。
エキサイトするサポーターはワールドカップサッカーなどで時々見かけるが、それがこのブレイクの世界でもあるのかという驚きは鮮明に記憶に残っている。
さて、そんな混乱のまま終了したイベント。
しかしながら、とても大事な用事が終わっていなかった。
フランスのイベントオーガナイザーとの接触である。
この時点で俺はフランスへの移動方法も、イベントがどこで行われるかなども全く知らされていなかった。
ドイツ到着時に、電話で、
「BOTYのイベント会場で移動のための切符を渡して説明する」
・・・と約束したきりになっているが、それらしき人物からの接触はない。
しかしながら問題は、自分がオーガナイザーの顔を知らないという事である。
当時はSNSはもちろんの事、海外で携帯電話を使用するという事もできない状況であったので、現場での連絡は不可能であった。
俺は、オーガナイザーからの接触を待ち、比較的分かりやすい場所にメンバーを伴ってしばらく待っていたが、まったく接触がなかったため、仕方なくホテルに帰ることにした。
ホテルに帰ってから、オーガナイザーに電話をしてみると、電話に出たオーガナイザーから驚きの言葉を聞くことになる!!
End of The Spartanic Rockers Story Vol.038
To be continued
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