俺の人生を変えたムーヴ!!  Spartanic Rockers Story Vol.037

俺たちSpartanic Rockersの
波乱万丈な Story vol.037

人生の転機となる驚きのムーヴが炸裂! BOTY98

ドイツで開催されている世界規模のブレイクの大会、
Battle of The Year1998(バトル・オブ・ザ・イヤー)に参戦しに来た我々Spartanic Rockers(スパルタニック・ロッカーズ)
全てのチームのショーケースが終了し、ついに最後のバトルに残るチームの発表の時が来た!

前述したように、選ばれるのは上位4チーム。
選ばれた4チームのうち、下位2チームが3位決定戦を戦い、上位2チームが優勝決定戦を戦うというシステムである。
まずは下位2チームの名前が呼ばれた。
ドキドキしながら聞いている俺達。
ここでは自分たちの名前が呼ばれる事はなかった。
いよいよ優勝決定戦を戦うチームの名前が呼ばれることになる。
そのうちの1つのチームはフランスのファミリー。
そして最後のチーム、ファミリーと戦うチームは
アメリカのロックフォースクルーの名前が呼ばれた。

残念ながら我々スパルタニックロッカーズは、BOTY98にて最終のバトルに残る事は出来なかった。
これは本当に悔しい結果ではありましたが、個人的にはこの最悪のコンディションの中、最悪のソロ踊った結果としては納得のいくものだった。

チームの中には、ショーの出来で選ばれるのであれば当然選ばれるものと思っていたメンバーもいたようだ。
ただ、BOTYはあくまで最終的にバトルで優勝を決定するブレイクのバトルイベントなので、バトルの内容も考慮して総合的に順位を決めるというやり方になると思う。

メンバーが5人というのも参加チーム最小構成であったし、
うちBreakin’をメインスタイルにしているメンバーは3名。
そしてそのうち自分は全くふるわないソロ、ツヨシとJOも実力を出し切れなかった状況では、致し方ない結果と思えた。

優勝を目指して乗り込んだBOTY98では、最終バトルに残ることは出来なかった。

我々の悔しい思いはさておき、イベントはバトルへと進行していく。
ここから我々は、1観客としてバトルオブザイヤーの決勝バトルを見る事になる訳だ。

技の応酬となった3位決定戦を終えて、イベントはいよいよ決勝バトル

THE FAMILY(FRANCE) VS ROCK FORCE CREW(U.S.A.)

に突入する!

ファミリーには当時フランスでもスキルの高かったイブラヒムやSTORY36で紹介した、うちのメンバー豪ともみあいになった、現在ポッパーとして世界各地で活躍をしているサラなどもメンバーにおりました。

パワームーヴをつなぎまくるベテラン、フランスのFAMILYのイブラヒム!

一方のロックフォースクルーは、自分たちが初めて見るB-Boy達なだけに今回のショーケースを除いては、予備知識はゼロの状態であった。
この状態から彼らのムーヴにに、俺達は何度も度肝を抜かれることとなる。
ジェフの肘トーマスやフォローバックフリーズ、
ミャーのフリーズへの流れ、
ベトナムの恐ろしく勢いのあるボム、
など、多くのムーヴに驚かされる俺達。
様々な新しいスタイルの技がくり出される中でも、最も印象に残っているのはジェラルドのあるムーブだった。

そして、
このムーブは俺の人生を変えてしまうキッカケとなった。

そのジェラルドのムーヴはワンハンドラビット(片手で逆立ちして跳ねる技)だった。
前日したようにUK B-Boy Championshipsで戦ったスタイル・エレメンツにはワンハンドラビットの名手クランブスがおりました。
クランプスはこの当時すでに片手のラビットで様々なバリエーションを見せ、多くのビーボーイたちを魅了し、バトルでもこのムーヴで活躍しておりました。
世界でもワンハンドラビットをやるB-Boyがほぼゼロに近い状態だったこの時代であったが、正直に言うと自分はクランボスのラビットあまり脅威に感じていなかった。
身体的な能力と考えると恐るべき高い能力なのだが、1番大きなポイントはこのムーブが「ダンス」として評価できるかとう点であった。
当時のクランブスは確かに素晴らしい片手テラビットのマスターではあったが、音楽に合わせたパフォーマンスをしていなかった。
一方ロックフォースクルーのジェラルドはヒジ倒立、3点倒立、両手逆立ち、片手逆立ちなど変幻自在なコンビネーションを音に合わせて展開。
しかも自分を最も驚かせたのは、彼が片手になった状態で腕や手足を大きく振りながら音楽に合わせて踊っていたところであった。

人間が、片手で逆立ちをしながら踊っている!!

今では当たり前のこのムーヴも、この当時はそんな事をやっているB-Boyを見たことがなかった。
俺はこのジェラルドのムーヴに物凄い衝撃を受けた!

UK B-BOY に続き、BOTYで優勝することを目標に持っていた俺は、
このジェラルドのやったワンハンドラビットを見て人生において大きな決心をする。

今の自分の状態で、こんな化け物みたいに凄い奴らに勝てるわけがない。
もともと天才でも何でもない自分が、会社で仕事をして定時後の少な時間で練習して、世界の強豪に打ち勝つなんて絶対に不可能だ。

よし、帰ったら会社を辞めよう。
辞めて、次の1年をブレイキンの練習に集中しよう!!

ジェラルドのクレイジーでめちゃめちゃかっこいいムーヴは、俺の人生を変えてしまったのである!

==================
*おまけ
この時の事を思い出すたびに、俺には頭に浮かぶことがある。

禁煙用の商品で「禁煙パイポ」というものがあり、
昔、この商品を一気に認知させたCMがあった。

CMの中で、
「私はこれで会社を辞めました」というフレーズが大流行した。

このCMに自分の気持ちがぴったり重なったわけである(笑)

自分に置き換えると、

「私は、これ(ワンハンドラビットで)で、会社を辞めました」

となります。
==================

End of The Spartanic Rockers Story Vol.037

To be continued


Spartanic Rockers Story 最初のページ

はじまり Spartanic Rockers Story Vol.001

Spartanic Rockers Story 一つ前のぺージ

Spartanic Showcase in BOTY98 後半! Spartanic Rockers Story Vol.036

 

 

Spartanic Rockers Story 一つ後のぺージ
http://s-faith.com/miyatatakeo/spartanic-story/spartanic-story-v038/