俺たちSpartanic Rockersの
波乱万丈な Story vol.021
いざ、イギリス ロンドンへ!!
イギリスのイベント、UK B-BOY CHAMPIONSHIPS への参加が決まり、そこに世界最強のチーム、スタイルエレメンツが参加すると知った俺は、スタイルエレメンツを想定したバトルシュミレーションを何度も行った。
当時世界的に全く無名な俺達ではあったが、逆に相手となるスタイルエレメンツはアメリカの超有名クルー。映像資料はいくつも手に入った。
要するに、相手の手の内を事前に知ることが出来る。もし、相手がこうでてきたら、こう返す。こういうシミュレーションをする事が出来るってわけだ。
この時点で、勝手に決勝をスタイルエレメンツと戦うという前提なところが、図々しいが(笑)
今でもクルーバトルを見ていると、戦って勝ちたいのか、単に自分個人の技を見せたいだけなのか分からないチームを見ることが良くある。
実力に雲泥の実力差があれば別だが、もしバトルに勝ちたいのであれば、本気で勝つための戦略を練らなければ勝てるわけはない。
しかも世界の頂点を目指すならなおさらだ!
繰り返しになるが、俺はバトルに勝つためにわざわざ海外へ行くんだ。
日本人がだれも経験したことのない舞台へ!
男らしさを見せるためではない。ガチンコでぶつかって敗れるためではない!
勝利、優勝という結果を出すために行くのである。
キカン坊の若手メンバーを何度も注意しながら、半ば無理やりルーティーンの練習をさせる。
特にJOに関しては、そのあまりのやる気の無さに最初は俺もびっくりした。
生粋の自由人。
そして自分主体の男である。
何度ルーティーンの重要度を説明しても全く聞き耳を持たない若手メンバー達。口では「ハイ、ハイ」と言いながら、行動が全く伴わない。
それを何度も言ってなんとかルーティーンを作らせた。
しかも出来たものも何度も修正させた。
何度言っても適当にやっているから、
ある時はビデオに撮影して本人達に見せたこともあった。
自分たちで作ったルーティーンを見て、
「遅!!」
って言っていたJOの姿を今でも鮮明に覚えている。
当時、JOは全く言う事を聞かない奴だと思っていたが、
今になって周りの人にいろいろ聞いてみると、
それでも多少は先輩に気を使っていたのかなと思う。
多少ですけど(笑)
奴はそれだけむちゃくちゃな男だから。
そんなこんなで凸凹メンバー5人組の練習が続く。
ショーの準備は完了。
バトルのシミュレーション、ルーティーンも一応準備が出来、ついにロンドンに乗り込む時がやってきた。
時は1998年の9月。
例により会社務めの俺は有給休暇。
ヨーロッパは、4月にはじめて行ったきりで人生2度目。
イギリスは初上陸。
イギリスのダンスシーンについては知識ほぼゼロ。
そんなほぼ何も知らない俺が、
それ以上に何にも考えてないメンバー達を率いてのロンドンツアーである。
この時はやはりお金がないので、香港経由での渡航となった。
途中乗換えの香港の空港では、待ち時間が結構あった。
そこで、空港でも強制ルーティーンの練習(笑)
連中はソロの練習はだまっていても、やりすぎるぐらいやるが、
ルーティーンの練習は本当にやらない。
これは日本チームスタート後10年以上たっても変わらない。
練習に行くのが遅くなるから
ルーティーンの練習先にやっておいてねと言っても、
やっていたのを見たことはただの一度もない(笑)。
そんなメンバー達である。
ともかく、
空港の練習は、人がなるべくいないところでやろうという事で、
空港内をさ迷い、廊下をいくつか曲がってほとんど人がいない所を発見!
しかし、そこには空港の警備員のオジサンが1人、凄く怖い顔で立っていた。
オジサンは怖いけど、
その場所がベストと判断した俺たちは怖い警備員の前で練習開始。
どんだけ踊っても、どんだけふざけても、
表情一つ変えないコワオモテの警備員はとても印象に残っている。
我々の旅はいつもいろいろある。
途中さらにいろいろありますが、切りがないので割愛します。
さて、そんなこんなで飛行機を乗り継ぎ、ロンドンに到着。
迎えに来てくれたスタッフとともにミニバンに乗り込むと、イベント側が用意してくれた宿舎のような場所に向かった。
この場所がまた思い出に残っております。
日本で言うところの学生寮みたいなところでした。
失礼ながら、古い、そしてボロイ建物。
一応1人一部屋だったが、とても狭く、暗く、ベッドが1台だけ。
シャワーは共同で、3、4つ並んでいるような感じのところだった。
まぁ我々、もとよりそんな事を気にしている訳ではないけれど。
到着後、宿舎のロビーには各国のB-Boy達が続々と集結してきた。
無知な俺はここではじめて知るわけです。
あれ、これイギリスローカルなイベントじゃないんだっけ???
え、これって世界大会???
しかし、アホで自信満々の俺はそれでも全然めげません。
逆にかましてやる、ぐらいの思いしかありませんでした。
無知というか、脳天気というか・・・
しかしそんな俺どころか、
もっとスーパー脳天気なツヨシやJOまでを震え上がらせる事態が
この後起きるのです。
衝撃の瞬間はスタイルエレメンツとの初対面の時に訪れる!
End of The Spartanic Rockers Story Vol.021
To be continued
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